システム開発の見積もり解説!内訳チェックのポイントや注意点

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システム開発の見積もり解説!内訳チェックのポイントや注意点

「システム開発の発注を検討しているが、見積もりの依頼方法が知りたい」
「見積書をもらったものの、何を確認すればいいかわからない」

システム開発を依頼する際、発注前に見積り依頼をおこないます。しかし、初めてシステム開発を依頼する場合、見積もりの依頼方法や見積書の見方がわからず、適正な価格で見積りしてくれたか判断できないのではないでしょうか。

この記事では、システム開発における見積りの算出方法と内訳を紹介し、見積書でチェックすべきポイントを解説します。

最後まで読めば、見積もりの依頼方法や見積書の見方が理解でき、どのシステム開発会社に依頼すべきか見分けることができます。

 

 

システム開発の見積もり依頼前に知っておくべきこと

システム開発の見積もりを依頼する前に、最初に以下のことを知っておく必要があります。

 

システム開発の見積もり前に知っておくべきこと
  • 見積り金額はシステム開発会社によって異なる
  • 見積書の内容は複雑化しやすい
  • 2段階見積もりが一般的

 

上記を理解しておくと、見積り依頼する際のポイントや見積書で見るべきポイントがなにか把握しやすくなるので、1つずつ見ていきましょう。

 

見積り金額はシステム開発会社によってこと寝る

システム開発の見積り依頼をすると、依頼するシステム開発会社によって見積書の金額が異なります。同じ依頼内容でも、A社は500万円だったのにB社は800万円だった、というケースは珍しくありません。

見積書の内容・金額が異なるのは、システム開発会社によって提案内容が違うからです。開発手法や費用の内約・算出方法が異なると、自然と見積書の内容・金額も変わります。

そのため、システム開発の見積もり依頼をする際は、見積書がどのように作成されるか知っておく必要があります。

 

見積書の内容は複雑化しやすい

先ほど申し上げたように、見積書の出し方や費用の算出方法は、依頼したシステム開発によって異なります。そのため、見積書の内容はどうしても複雑になってしまいます。

見積書の見方を知らないと、何を確認したらいいかわからず、見積もり金額が適正な価格か判断できません。

事前に見積書でチェックすべきポイントを知っておけば、依頼内容が見積書にちゃんと含まれているかチェックできます。複数のシステム開発会社に見積りを依頼した場合なら、それぞれの見積書の内容を比較することも可能です。

 

2段階見積もりが一般的

システム開発では、見積もりを2回に分ける「2段階見積もり」をする会社が増えています。

2段階見積もりでは、契約前のヒアリング段階で見積もりの概算を作成し、契約後に要件定義をおこなって設計図を作成したうえで正式な見積書を作成します。

システムの開発にかかる金額を正確に見積もるには、システムの仕様詳細を記載した「設計書」が必要です。契約前の見積もりでは設計図がないため、どうしても大まかな金額しか算出できません。

そのため、見積もりを依頼したシステム開発会社が2段階見積もりを行う場合、 契約前の見積もりは必ずしも正確ではなく、 設計書ができるまで見積もり金額が変動する可能性があることを覚えておきましょう。

 

見積もり依頼で押さえたいポイント

システム開発の見積もりを依頼する際、押さえておくべきポイントは以下のとおりです。

 

見積もり依頼で押さえたいポイント一覧
  • システム開発の見積もりに必要な情報を整理する
  • 3~4社のシステム開発会社から相見積もりをとる

 

上記のポイントを押さえたうえで、システム開発会社に見積もりを依頼しましょう。

 

システム開発の見積もりに必要な情報を整理する

見積もりを正確におこなってもらうには、見積もりを依頼するシステム開発会社に必要な情報を提供することが大切です。

見積もりを依頼する前に、以下の情報を整理しておきましょう。

 

  • システム開発の目的
  • 開発を依頼する範囲、対象外の範囲
  • 開発プロジェクトの想定期間
  • 参考になるサービス

 

1. システム開発の目的

まず、何のためにシステム開発を依頼するのか、目的を明確にしましょう。

依頼する目的をシステム開発会社が理解できないと、期待していたものと異なるシステムが設計されたり、不要な費用が見積もりに含まれる可能性があります。

どのような課題を解決したいのか、システム開発で何を達成したいのか整理してください。

また、目的を伝えた際にシステム開発会社が正しく理解しているか、逐次確認することもおすすめします。

 

2. 開発を依頼する範囲、対象外の範囲

システム開発はさまざまな作業の集合体とも言えます。依頼したい作業の範囲を明確にすると、システム開発会社が見積もりに含める内容が把握しやすくなり、見積もり内容の精度向上につながります。

例えば、基本設計からリリース後の運用まで依頼する場合と、要件定義から総合テストまで依頼する場合では、見積もりのとり方は大きく変わります。

そのため、見積もり金額が正確に把握したいなら、依頼したい作業範囲は何か整理しておきましょう。

同時に、見積もり対象外の範囲も明確に伝えておくと、認識の齟齬やコストの増加も防げます。

見積もり項目と内訳は次章で詳しく解説するので、併せてご参照ください。

 

3. 開発プロジェクトの想定期間

システムをリリースする期日が決まっている場合は、その旨もシステム開発会社に伝えておきましょう。

見積もりのとり方は、システム開発期間の長さでも変わります。期日を伝えない場合、システム開発会社は余裕も持ったスケジュールで見積もりをとり、見積もり金額が予算と合わない可能性が出てきます。

正確な見積もりをとってもらうためにも、システムをリリースしたい期日も事前に決めておくのがおすすめです。

 

4. 参考になるサービス

可能であれば、開発したいシステムのイメージに近いサービス・アプリも事前に調査しておきましょう。

システム開発で依頼したい内容を文書や口頭で説明するのは難しく、認識の齟齬が生まれやすいのが実情です。

例えば、一言で「通知機能」といっても、システムの中に通知させるのか登録メールと連携するのかなど、同じ機能でも具体的な開発内容は異なり、あわせて必要な開発工数も変わります。

そのため、参考にしているWebサイトやアプリなどを共有すると、システム開発会社もイメージしやすくなり、正確な見積もりがとりやすくなります。

 

3~4社のシステム開発会社から相見積もりをとる

同じ内容の見積もりを依頼する場合でも、開発手法や作業工程、開発者の単価などはシステム開発会社によって異なります。

そのため、複数のシステム開発会社に見積もりを依頼し、見積もり内容を比較するのがおすすめです。具体的には、3~4社見積もりを依頼するといいでしょう。

見積もりを依頼する数が多すぎると、見積もり内容の確認に時間がかかり、システム開発の時期が遅れてしまいます。

 

システム開発の見積もり項目と内訳

ここでは、システム開発の見積もり項目と内訳を解説します。

今回は、一般的な見積書で記載されることが多い項目をまとめてみました。

 

見積書でよく記載される項目
  • 要件定義
  • デザイン設計
  • プロジェクトマネジメント
  • 開発構築
  • システムテスト

 

見積書に記載される項目を理解しておくと、見積もり金額に何が含まれているか把握でき、見積もり内容が適正かどうか判断しやすくなります。

では、各項目と内訳を1つずつ見ていきましょう。

 

要件定義

要件定義、達成したいゴールに対してシステムに必要な機能を検討するための費用です。

依頼したいシステムの方針や仕様を大まかに決めたい場合に発生します。

見積もり全体の目安:10~15%

 

デザイン設計

デザイン設計は、Webサイトやアプリの画面に表示する情報やレイアウトを作成するための費用です。

UI(ユーザーインターフェース)とも呼ばれ、システムを利用する際の見た目に関する部分を依頼したい場合に発生します。

見積もり全体の目安:10~20%

 

プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントは、定期的に行われる会議の進行など、プロジェクトのスケジュール管理にかかわる費用です。

プロジェクト管理やディレクション費と記載される場合もあり、システム開発を依頼するには必須の費用となります。

見積もり全体の目安:10~15%

 

開発費用

開発費用は、実際にシステムを開発するためのエンジニアの人件費やシステムの利用料に関わる費用です。

システム開発の費用の大半を占めており、開発に関わるエンジニアの人数によって大きく変動します。

見積もり全体の目安:45~60%

 

システムテスト

システムテストは、開発したシステムの品質をチェックするために必要な費用です。

依頼したシステムが実装レベルまで完成されているか確認し、バグや欠陥が見つかった場合は修正し、テストを再度実施します。

見積もり全体の目安:10~15%

 

見積もりをチェックする際のポイント

システム開発会社に見積書を作成してもらった場合、チェックすべきポイントを理解していると、見積もり内容が正確か判断しやすくなります。

 

見積書でチェックしたいポイント
  • 必要な機能が含まれているか、不要な機能が含まれてないか
  • 作業範囲の認識があっているか
  • リスクに対する見積もりも含まれているか

 

チェックすべきポイントを1つずつ見ていきましょう。

 

必要な機能が含まれているか、不要な機能が含まれてないか

まずは、システム開発を依頼したい機能が含まれているか確認しましょう。

見積もり金額が安い理由で、依頼するシステム開発会社を選んでしまうと、必要な機能がない状態でシステム開発される可能性が高くなります。

見積もり金額が予算内であることも大切ですが、まずは必要な機能がすべて含まれているか確認してください。

同時に、不要な機能が見積もりに含まれていないかチェックしておきましょう。

 

作業範囲の認識があっているか

見積もり金額は作業範囲によって大きく変わるので、依頼したい作業が見積もりに含まれているか確認しましょう。

作業範囲の認識が異なると、契約後に追加費用が発生する可能性もあります。

 

リスクを見積もりに含める

実際にシステム開発が始めると、途中で要件が変わることは少なくありません。

要件が変わるリスクを考慮せずにシステム開発を依頼すると、想定していない追加費用やプロジェクトの延期が発生し、トラブルの原因になる可能性があります。

そのため、要件変更のリスクに対する見積もりも含まれているか確認しましょう。

 

見積もりの算出方法

最後に、見積もり金額の算出方法を解説します。

見積もり金額の算出方法はシステム開発会社によって異なりますが、よく用いられる算出方法は以下のとおりです。

 

主な見積もり金額の算出方法
  • 類推見積(トップダウン)
  • パラメトリック見積(係数モデル)
  • 工数積上げ(ボトムアップ)

 

見積もり金額の算出方法を理解していると、見積もり金額が適正な価格か判断しやすくなります。それぞれの算出方法を見ていきましょう。

 

類推見積(トップダウン)

類推見積は、過去のシステム開発の経験や、類似プロジェクトの情報から見積もる算出手法です。

システム開発の経験が豊富な担当者なら見積もりの精度が高く、かつ短時間で作成できる点がメリットです。

ただ、属人的な見積もり手法であり、人によって工数にばらつきが生じる可能性があります。

 

パラメトリック見積(係数モデル)

パラメトリック見積は、過去のデータや統計的に算出された係数から掛け合わせて見積もる算出手法です。

数値で見積もりを作成するため、担当者によってばらつきが発生しないことがメリットです。

ただし、過去のデータに依存するため、経験が少ない機能や新機能の見積もりの場合、精度が下がる場合があります。

 

工数積上げ(ボトムアップ)

工数積上げは、開発するシステムを細かいタスク単位で見積もって積み上げる算出手法です。

作業を詳細に落とし込んで見積もりを作成するため、抜け漏れが少なく精度が高い点がメリットです。

ただし、細部を検討のうえで見積もりを作成するため、見積もりの作成に時間がかかります。

 

まとめ

システム開発の見積もりは、プロジェクトの成功に向けての第一歩です。精度の高い見積もりを依頼できれば、依頼したい内容が適正な金額で見積もられているか判断しやすくなります。

システム開発会社に見積もりを依頼する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

 

システム開発の見積もりポイントまとめ
  • 見積もりに必要な情報を整理する
  • 見積もり内容の項目や内約を把握する
  • 見積もりの算出方法を理解する
  • 複数のシステム開発会社に見積もりを依頼する

 

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見積書の作り方や相場情報など気軽な相談だけでもかまいません。ぜひ一度、当社にご相談ください。

 

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