システム開発のプログラミング言語や種類、選び方を解説

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システム開発のプログラミング言語や種類、選び方を解説

「プログラミング言語にはたくさんの種類があるが、どの言語を選択すれば良いのかが分からない。」

システム開発を行う際、上記のような課題が出てくるでしょう。

システム開発の種類に応じて、適切なプログラミング言語は異なります。システム開発の種類に応じたプログラミング言語の選び方が分かれば、プログラミング言語の選択に迷わずに済みます。

そこで本記事ではシステム開発のエンジニアに取材し、主要なプログラミング言語の特徴やシステム開発の種類に応じた言語の選び方を解説します。

システム開発を検討している方は、ぜひ当記事を最後まで読んで、プログラミング言語選択の判断にお役立て下さい。

 

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プログラミングとは?

プログラミングとは、上流工程で作成された詳細設計書に基づいて、プログラミング言語を用いてソースコードの記述を行う工程のことです。別の言い方で「開発工程」とも呼ばれます。

上流工程で決定した仕様を実現するために、画面やバッチ処理をプログラミング言語で実装します。ちなみに、実際にプログラミングを行うことを「下流工程」と呼ばれることが一般的です。

プログラミングでは、他のチームメンバーが正確に理解できるように、分かりやすいコードをミスなく記述することが求められます。

そこで、「コーディング規約」というプログラミングの共通ルールをまとめたドキュメントをあらかじめ作成し、コーディング規約に沿ってプログラミングすることが一般的です。

 

プログラムとプログラミングの違い

「プログラミング」という言葉をなんとなく使っているものの、そもそも「プログラム」との違いがわからない方もいらっしゃるでしょう。

「プログラム」とは物事を行う手順、あるいは手順が書かれたものを指し、和訳すると「番組表」「計画」「予定」を意味します。

実は、プログラムは下記のように身近なところにも存在しています。

 

  • テレビ番組表
  • 旅行のしおり
  • 授業の時間割

 

例えば旅行のしおりの場合、「〇時に家を出る」「〇時の新幹線に乗る」「〇〇公園を観光する」など、時間に沿って旅行の日程が記載されていますよね。

このように、やるべきことを順番に書き出したものがプログラムに相当するのです。

IT用語におけるプログラムは、正確には「コンピュータプログラム」を指します。コンピュータプログラムとは、コンピュータが実行する作業の手順のことです。

対して「プログラミング」とは、プログラムを作成することを意味します。コンピュータが意図する通りに動くよう実行順を記述し、その際に用いる言語が「プログラミング言語」なのです。

したがって、「プログラミング言語」を使って「プログラム」を作成することが「プログラミング」となります。

 

ソフトウェア開発とシステム開発の違い

システム開発と似た意味で使われる言葉で、「ソフトウェア開発」があります。混同しやすいですが、それぞれ違う概念を指します。

 

種類 特徴 具体例
システム開発 課題を解決するための仕組み(ソフトもハードも含む)を構築すること 業務効率化のためのシステムそのものを開発
ソフトウェア開発 ソフトウェアの中身(プログラム)を開発すること アプリケーションやゲーム、OSの開発

 

上記のように、システム開発は、ソフトウェア開発より広義で使われます。

プログラム(ソフト)の作成だけでなく、PCやスマートフォンなどハードウェア作成も含まれ、「業務を効率化したい」「顧客満足度を上げたい」など、課題を解決する仕組みを実現するのがシステム開発です。

 

ソフトウェア開発でよく利用されるプログラミング言語

プログラミング言語の種類は多岐に渡り、ポピュラーな言語だけでも200言語あります。コンピュータの処理速度の向上やプログラムの大規模化で派生した言語も含むと、なんと1,000言語以上もあります。

ここでは、ソフトウェア開発によく利用される主要なプログラミング言語を解説します。

 

ソフトウェア開発でよく利用されるプログラミング言語
  • PHP(ピーエイチピー)
  • JavaScript(ジャバスクリプト)
  • Python(パイソン)
  • Java(ジャバ)
  • C++(シープラスプラス)
  • C#(シーシャープ)
  • Go言語
  • Kotlin(コトリン)

 

それぞれの言語に得手不得手がある他、需要や難易度なども異なるため、開発したいソフトウェアに合ったプログラミング言語を使用することが重要です。

 

PHP(ピーエイチピー)

プログラミング言語の中で、初心者でも比較的触りやすいのがPHPです。

PHPは記されたコードを頭から順に実行する、テキストベースのプログラミング言語です。処理速度はやや遅いものの、シンプルかつ柔軟さにコーディングできることから応用力が高く、Webアプリケーションの開発では優れた開発力を発揮します。

開発にあたって特別用意するものはなく、わざわざ開発環境を準備しなくてもテキストエディタのみで始められます。

 

JavaScript(ジャバスクリプト)

JavaScriptは、Webページやゲーム開発などの用途に向いているプログラミング言語です。開発当初は処理に時間がかかっていたものの、アップデートに伴って処理速度は飛躍的に向上しました。

現在はフロントエンドからサーバサイドまで、さまざまなシステム開発に利用される、汎用性が高いプログラミング言語となっています。

また、学びやすい点で多くのエンジニアから人気を集めてることから、高いシェア率を示しているのも特徴です。

 

Python(パイソン)

Pythonは、深層学習のデータ処理に優れているプログラム言語です。1991年に開発された歴史のあるプログラミング言語ですが、令和の現代ではその特性を活かし、AI分野での使用が注目されています。

作業のしやすさとコードの信頼性を重視してデザインされているため、コードの分量を抑えて読み書きできることが特徴です。文法もシンプルで、使うプログラマーのスキルが異なっても読みやすさに差がつきにくく、チーム開発を行う際に有用です。

 

Java(ジャバ)

JavaはほとんどのOSで動作し、Webシステムやアプリ開発、組み込み系システムなど幅広い領域で活用されているプログラミング言語です。国内外問わず利用されているため、エンジニア以外の方でも名前を聞いたことがある人もいらっしゃるでしょう。

実行速度が速く、Androidアプリや業務システムのソフトウェア開発に向いています。習得は他のプログラム言語と比較して容易ではありませんが、一度習得すれば他のプログラム言語もスムーズに扱えるようになります。

 

C++(シープラスプラス)

C++は、ゲームやOS、IoTなど多様なシステム開発に使用されているプログラミング言語です。汎用性が高く、様々な業界で需要があります。

ソースコードの分量は抑えられるメリットがある一方、言語構造が複雑化されており、習得が難しいと言われています。そのためJavaと同様、一度習得すれば派生言語も習得しやすくなります。

 

C#(シーシャープ)

C#は、Microsoft社が2000年に開発した、C++とJavaの良いところを併せ持ったプログラミング言語です。

環境構築や習得は容易ではありませんが、柔軟性と生産性の高さを兼ね備えています。開発当初はWindows専用の言語でしたが、現在では対応OSも増えて幅広く活用されています。

 

Go言語

Go言語は、Google社が開発したプログラミング言語です。メルカリやGunosyなど、著名なスマートフォンアプリでも使用されています。

言語体系がシンプルかる処理速度の高さがメリットで、複数の機能の組み合わせが可能なことから、機能や利用者の数に変動があっても柔軟に対応することが可能です。

 

Kotlin(コトリン)

Kotlinは、2011年に発表されたプログラミング言語です。歴史が他のプログラミング言語より浅いものの、Google社がAndroidの公式開発言語に採用したことを機に知名度を上げ、ポストJava言語とも呼ばれています。

文法は独自方式で非Java言語ですが、Javaによるソースコードの呼び出しや既にあるJava資産を活用したシステム・ソフトウェア開発など、Javaと相互利用できるのが特徴です。

 

プログラミング言語の選び方

プログラミング言語には様々な種類が存在しますが、それぞれ得意不得意があるため、開発するシステムの種類に応じて適切な言語を選択する必要があります。

ここでは、システムの種類に応じたプログラミング言語の選び方について、解説します。

各プログラミング言語の適したシステムの種類は、以下のとおりです。

 

プログラミング言語 適したシステムの種類
PHP Webサービス全般
JavaScript Webサービス全般
Python AI・機械学習
Java AI・機械学習、スマートフォンアプリ
C++ ゲーム、Webアプリ
C# ゲーム、Webアプリ、スマートフォンアプリ
Kotlin スマートフォンアプリ

 

プログラミング言語の特性を踏まえながら、システム開発の種類に応じた選び方を解説します。

 

Webサービスのソフトウェア開発向き:PHP、JavaScript

PHPは様々なジャンルで応用できるプログラミング言語ですが、データベースとの連携のしやすさからWebアプリケーションで頻繁に利用されています。

JavaScriptはWebブラウザだけで動作確認が可能なため、Webページのプログラミングで多く採用されます。

 

AIや機械学習ソフトウェア開発向き:Python、Java

PythonやJavaは、近年需要が増えているAIや機械学習の開発に適しています。

特にPythonは機械学習の分野で注目されており、豊富なライブラリが用意されており、開発のハードルも低くなっているのも採用頻度が高い理由の1つです。

 

ゲーム開発向き:C#、C++

コンピュータゲームの多くは、C#またはC++で開発されています。

特にC#は比較的古いプログラミング言語であるものの、ゲーム開発においては現在でも変わらぬ人気を誇っています。ゲームエンジンである「Unity」を用いたゲーム開発現場で、C#の需要が高いためです。

また、C++は処理の実行速度が非常に高く、リアルタイムの処理が欠かせないオンラインゲームの開発に向いています。

 

スマートフォンアプリ開発向き:Java、Kotlin

Javaは、汎用性の高さからスマートフォンアプリの開発に適しています。Google Playには、Javaで作られたスマートフォンアプリが多数登録されています。

KotlinはAndroidの開発言語として公式認定されており、環境を構築しやすい特徴を持っていることから、採用される頻度が高くなりつつあります。

 

まとめ

この記事では、システム開発におけるプログラミング言語の種類や選び方について解説しました。

プログラミング言語には様々な種類が存在しますが、システム開発に適しているプログラミング言語は以下のとおりです。

 

システム開発に適したプログラミング言語一覧
  • PHP:Webサービス全般
  • JavaScript:Webサービス全般
  • Python:AI・機械学習
  • Java:AI・機械学習、スマートフォンアプリ
  • C++:ゲーム、Webアプリ
  • C#:ゲーム、Webアプリ、スマートフォンアプリ
  • Kotlin:スマートフォンアプリ

 

上記の選び方はあくまで目安で、ソフトウェアの開発案件によっては最適な言語が異なるケースもあります。特にシステム開発を初めて行う場合、プログラム言語の特徴を把握できているとしても、開発案件に最適な言語を選ぶことが困難かもしれません。

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